旭光学工業の中判カメラシリーズ第1弾である。また35mm判シリーズとは使用フィルムこそ違えど、プロユースを意識したアサヒペンタックスカメラの旗艦機種である。
それは充実したシステム、手厚いサポート面にて強く反映されている。その開発のきっかけは当時の社長であった松本三郎氏の「大判の一眼レフが欲しい」との鶴の一声であった。
企画段階では製品化は考慮せずに設計されたいたものの、松本氏が需要の確信を得たため急遽製品化を目指すこととなった。
大きな特徴である35mm判カメラをそのまま大きくしたような外観と、中判6x7フォーマット一眼レフでありながらもコンパクトであり、手持ち撮影用途を考慮したコンセプトは開発当初からのものであった。
開発時における一番の苦労はシャッターとミラーであったという。それらは35mm判のものと比較して大型であるため、作動に必要な力、耐久性、耐ショック性の問題が大きく立ちはだかったのである。
またレフレックスミラーも大型になったため、「スイングバック式」による省スペース化と「クランク駆動式」による耐ショック対策が施された。こうして中判一眼レフという新しいジャンルのカメラが誕生したのである。
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